DNAチップの分析対象

DNAチップは、核酸ターゲットの調製方法次第で様々な核酸分子を検出できます。この性質により、多くの生命現象を分析することが可能です。最初に開発され、現在でも多く市販されているDNAチップは、mRNAの発現量を網羅的に検出することができるものでした。mRNAを調べることによって、その環境下において特異的に発現する遺伝子や、疾患関連遺伝子を選択できます。さらには、検査・診断用に選択した遺伝子を用いて、検体の状態の判別(がん/非がんなどといった疾患の診断、生体状態のモニタリングなど)が可能です。
近年では、mRNA以外の核酸分子の解析を目的としたアプリケーションも開発されてきています。DNAチップによって、どのようなことを調べることができるか下表にまとめました。

分析対象 概要
転写産物(mRNA)の量 いわゆる遺伝子発現解析。転写産物の量を測定し、サンプル中に含まれるmRNAのプロファイルを取得します。
miRNAの量 機能性RNAの一種であるmiRNAの発現量を調べます。miRNAは転写・翻訳制御に関わっているとされ、mRNAと同時に分析することもあります。
SNPs
(Single Nucleotide
Polymorphismsの略)
SNPsとは染色体上の1塩基多型を指し、個体間の形質の差の原因と考えられています。
ゲノムDNA領域のコピー数 がん化した細胞では、転移や転座、重複といった染色体異常が発生しています。正常細胞と比較することで、どの領域に異常があるか検出することができます。
DNA結合タンパクの結合配列 転写因子などゲノムDNAに結合して細胞機能を制御する因子が知られています。この因子がゲノムDNAのどの領域に結合しているか調べる手法がChIP-on-Chipです。
塩基配列 ハイブリダイゼーション反応を用いてDNAの塩基配列を調べることができます(Sequencing by hybridization)

※ 3D-Gene®の分析対象は、mRNAとmiRNAの量です。