データマイニングとは?実現できることや実施方法、実際の事例

2022/3/16

データマイニングとは

 データマイニングとは、ビッグデータやデータウェアハウスにて管理されるデータなどの蓄積された膨大なデータセットから、そこに潜在する価値ある情報を得るためのデータ分析手法のことで、大量のデータを鉱山に例え、そこから有用な知見を発掘(マイニング)することを意味しています。人工知能や機械学習の分野では、データマイニングはデータベースにおける知識発見の過程の中の一つのステップとして位置づけられます。なお、テキストデータを対象とするデータマイニングをテキストマイニングと呼び、区別することがあります。

データマイニングの手法

 データマイニングにおいてよく用いられる統計学的な手法として,種々の記述統計量の算出やデータの視覚化、判別分析、クラスター分析、ロジスティック回帰分析、マーケット・バスケット分析、主成分分析などがあります。また、機械学習の手法の主なものには、決定木、相関ルール、ニューラルネットワーク、遺伝的アルゴリズムなどがあります。
データマイニングのプロセスは以下のように示すことができます。

  1. データの選択:大量のデータから目的に応じたデータを選ぶ
  2. クリーニングと前処理:ノイズを除去し、欠損値の取り扱いを決める
  3. データ変換:変数の数を減らし、関係のない変数を除去する
  4. 探索的データ解析とパターンの発見:
    データマイニングのアルゴリズムやパターンの探索に利用する手法を選ぶ
  5. 解釈と評価:見いだしたパターンを解釈し、必要に応じて前のプロセスに戻る

データマイニングの実施で実現できること

 データマイニングの実施によって、一見無関係と思われるデータの集合体から、ビジネスや研究などの悩みを解決できる重要なヒントを見つけることができる可能性があります。例えば、天候によって特定の商品の売り上げが上がっている、という傾向は、商品の購入履歴と天候のデータを組み合わせて解析した時に初めて気づくポイントかも知れません。
 データマイニングの導入によって、それまで経験や勘に頼った判断を迫られていたマーケティングを、事実や実績に基づいて定量的に評価できるようになります。データマイニングにより必要な情報が可視化され、実施すべき内容が予測できるようになるため、より早くPDCAサイクルを回転させることが可能となります。

データマイニングを活用している事例

データマイニングはさまざまな業界で活用されておりますが、その活用方法は業界によって異なります。以下に、いくつかの業界をモデルに活用例を挙げていきます。

  1. 製造業
     製造設備の分析にデータマイニングが活用されています。例えば、製造現場における機器のメンテナンスにおいて、どのようなタイミングでどのような箇所に故障が生じやすいのかをデータマイニングで把握できれば、結果として効率的なメンテナンスが可能となります。また、こうして得られたデータを、製造機器を設計する段階で活かすことによって、故障しにくい機器を作れる可能性もあります。
  2. 小売業
     企業において顧客情報や販売情報をデータベース化し、そのデータをマイニングすることにより、顧客満足度を向上させる、キャンペーンを最適化する、商品の仕入れの調節や販売予測の精度を高めるといった目的を達成するために有用な情報を得ることができます。これにより、特定の顧客に対して訴求効果のある商品やサービスの紹介、キャンペーンの展開をすることができると考えられます。
  3. 金融
     金融機関は莫大な顧客データと取引に関するデータを保有しています。それらのデータをマイニングすることで、市場リスクの的確な把握、不正検知の迅速化、融資先が債務不履行する確率の予測、ローンや投資信託など金融商品の購買パターンに基づく販売促進、既存顧客の解約などによる離反予測とその対策などが可能になります。
  4. 医療
     医療機器による検査や診断などによって得られた膨大なデータをマイニングすることにより、「このようなデータの時はあの病気である可能性が高い」といった関連性や、「ある薬を飲んでいる患者は別のある病気を発症するリスクが高い」など、これまで誰も気づかなかった法則を見出せる可能性が考えられます。

データマイニングを実施する方法

 データマイニング実施の代表的な方法として、機械学習と統計分析が挙げられます。
 機械学習は、コンピューターやAIにデータを学習させる方法で、人間が仮説を立てる必要がなく、膨大なデータの中からコンピューターが自ら学習して特定の傾向やデータ間の関連性などを見つける方法です。コンピューターに学習させるため、人間が気づけなかった法則、パターンや分類を見出すことができる可能性があります。
 統計分析は、統計学や確率論を活用した方法です。こちらは人間が事前に仮設を立て、必要なデータを収集し、仮説検証の課題に合わせた手法にて分析をします。
 機械学習はコンピューターやAIの導入が必要であり、統計分析には統計学の専門知識が必要となり、データマイニングをご自身で実施するのはハードルが高いと思われるかもしれません。しかしながら、データマイニングツールを利用して専門知識の不足を補ったり、データマイニング自体を外部に依頼することにより、問題を解決することができることもあります。

まとめ

 データマイニングとは、膨大なデータセットから、そこに潜在する価値ある情報を得るための分析手法のことを意味しています。
 データマイニングの実施によって、一見無関係と思われるデータの集合体から、ビジネスや研究などの悩みを解決できるヒントを見つけることができる可能性があります。データマイニングの導入により、経験や勘ではなく、事実や実績に基づいて定量的に評価できるようになります。必要な情報が可視化され、実施すべき内容が予測できるようになるため、より早くPDCAサイクルを回転させることが可能となります。  データマイニング手法の代表としては、機械学習と統計分析が挙げられます。
 機械学習は、コンピューターやAIにデータを学習させる方法です。コンピューターに学習させるため、人間が気づけなかった法則、パターンや分類を見出すことができる可能性があります。統計分析は、統計学や確率論を活用した方法です。こちらは人間が事前に仮設を立て、必要なデータを収集し、仮説検証の課題に合わせた手法にて分析をします。
 データマイニングをご自身で実施するのはハードルが高いと思われるかもしれません。しかしながら、データマイニングツールを利用して専門知識の不足を補ったり、データマイニング自体を外部に依頼することにより、問題を解決することができることもあります。