3D-Gene®の性能、メリット

高い再現性

再現性の高いシステムであるため、フォーカスアレイを作成してもデータは継承されます。

3D-Gene® Human Digestive Cancer 9k(以下、DCチップ(受注生産))は、網羅型チップであるHuman Oligo chip 25k(以下、25kチップ)から消化器がん研究に適した遺伝子セットを抽出し作成したフォーカスアレイです。DCチップがハイブリエリアが9000柱であるのに対し、25kチップは25000柱と構造的な相違があります。この差により、両者の間ではデータの再現性が低い可能性が想定されます。両者のデータの差を調べるため、同一サンプルを用いて検証しました。
2種類のヒト培養細胞由来サンプルAおよびBのtotal RNAを増幅し,それぞれをCy3,Cy5でラベルしラベル済みサンプルとしました。サンプルの調整方法は3D-Geneの標準プロトコルに従いました。25k chipにはサンプルA-Cy3,サンプルB-Cy5をアプライし、DCチップにはサンプルA-Cy5,サンプルB-Cy3と、異なる組み合わせでハイブリしました(図1)。

実験デザイン

図1 実験デザイン

得られたデータを解析したところ、チップ間相関はr = 0.98と異なるチップ間にも関わらず高い相関性が得られることがわかりました。3D-Geneは再現性が高くなるようなシステムになっているため、たとえチップの種類が変わったとしても良好なデータを得ることができます。

グラフ

高感度

少量のmRNA分子の検出が可能です。

500ngのtotal RNAにpoly A tailを持ったスパイクRNA分子を6条件の濃度で添加し、スパイク添加total RNAを調整しました(表)。スパイクRNAとmRNAのモル比は表にあるように、非常にごく微量のRNA分子量を想定しています。調製した6種のスパイク添加Total RNAを推奨プロトコルどおりに処理し(図1)、それぞれ6枚の3D-Gene®にハイブリダイゼーションを行いました。その結果、図2に示すように1amol添加の条件まで直線性の高いデータを得ることができました。また、データのばらつきはありますが、0.1amolまで検出が可能であることが確認されました。以上ことから、3D-Gene®のシステムでは、total RNA中に含まれる極微量のRNA分子を検出することができます。

サンプル処理フロー

図1 サンプル処理フロー

Chip ID 添加量(amol) spike / mRNA モル比
A 1000 1/1,500
B 100 1/15,000
C 10 1/150,000
D 1 1/1,500,000
E 0.1 1/15,000,000
F 0.01 1/150,000,000

スパイクRNAの添加量

スパイク/mRNA モル比

図2 スパイク/mRNA モル比

3D-Gene®は高感度DNAチップです。そのため、これまで用いられてきたDNAチップに比べ、低発現遺伝子の検出に強みがあります。これまでの解析で、あまりにも発現量が少ないため見逃していた遺伝子の発現変動をより高精度に捕らえることができます。すでに他社のDNAチップでデータを取得済みであっても、3D-Gene®を用いて解析を行うことで、新たな発見があるかもしれません。3D-Gene®のアプリケーションノートに解析例を掲載していますのでご覧ください。

※ このサイトに掲載している製品写真は日本で販売しているタイプのものです。