マイクロRNAとメッセンジャーRNAの統合解析

マイクロRNAとメッセンジャーRNAの関係と統合解析

マイクロRNAは、22塩基前後のnon-coding RNA(タンパク質にならないRNA)の一種であり、メッセンジャーRNA(coding RNA)の3’UTRに配列相補的に結合することにより、その遺伝子の発現を調節することが知られており、全遺伝子の30-50%がこの制御を受けていると言われています。マイクロRNAの制御メカニズムには、転写産物分解と翻訳阻害がありますが、本手法は転写産物分解に焦点をおいた解析手法となります。

マイクロRNAとメッセンジャーRNAの関係と統合解析

マイクロRNAの制御メカニズムは、3’UTR配列に対して約70%の相同性があれば制御が行わると言われており、融通性の高い制御機構です。このため、1つのマイクロRNAが多数のメッセンジャーRNAを制御しており、逆に言うと、メッセンジャーRNA自体も複数のマイクロRNAの制御下におかれているため、マイクロRNA-メッセンジャーRNAの制御、非制御の関係は1対1の関係ではなく、多数vs多数の複雑な関係が存在しています。

マイクロRNAとメッセンジャーRNAの関係と統合解析

このため実際の解析には、マイクロRNAとメッセンジャーRNAの網羅的な解析データとバイオインフォマティクス的なターゲット遺伝子の予測データを融合して解析を実施し、その関係性を論理的に効率良く絞り込んで考察をする必要があります。これが統合解析の概念です。

マイクロRNAとメッセンジャーRNAの関係と統合解析

マイクロRNAのデータ解析

通常は実験系の目的にあった変動マイクロRNAの絞込みを行います。
例えば、以下のような手法を用いて目的とする変動マイクロRNAをピックアップします。

  1. (1)発現比
  2. (2)群間での検定
  3. (3)クラスター解析

これらは通常のマイクロRNAの絞込みの手法です。
また、複数の実験系を実施している場合は、それらを組み合わせてより目的にあったマイクロRNAの絞込みを行います。

マイクロRNAのデータ解析

Target候補の検索とメッセンジャーRNA解析データとの照合

マイクロRNAデータの解析により選択されたマイクロRNAについてTargetScanでターゲット候補となる遺伝子(メッセンジャーRNA)をピックアップします。ターゲットと予測される遺伝子についてメッセンジャーRNAアレイデータと照合し、発現の関係性を確認します。

Target候補の検索とメッセンジャーRNA解析データとの照合

メッセンジャーRNAとマイクロRNAの統合解析にご興味があるかた、ご一読ください!
メッセンジャーRNAとマイクロRNAの統合解析を利用したターゲット遺伝子の探索

近年、細胞内の機能を制御する分子として、マイクロ RNAが注目をあびています。マイクロRNAは、22 塩基前後の non-coding RNA(タンパク質にならない RNA)の一種であり、メッセンジャーRNA(coding RNA) の 3ʼUTR に配列相補的に結合することにより、その遺伝子の発現を調節することが知られており、全遺伝子の 30-50% がこの制御を受けていると言われています。マイクロRNA の制御メカニズムには、転写産物分解と翻訳阻害がありますが、本手法は転写産物分解に焦点をおいた解析手法となります。

 

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