1色法

現在、DNAチップのハイブリダイゼーションに用いられる方法は大きく1色法と2色法に大別され、この選択は実験デザインに影響します。使用するDNAチップの種類で利用できる測定法は決まっている場合が多いため、実験前にメーカーやサプライヤーに測定法の適用について確認してください。1色法と2色法の名称は標識に用いる蛍光色素の種類に由来しており、1色法は単一の蛍光色素を、2色法は2種類の蛍光色素を使用することを示します。
1色法は1種類のターゲットサンプルを1枚のDNAチップにハイブリダイゼーションさせます。2色法は2種類のターゲットサンプルを1枚のDNAチップ上で競合的にハイブリダイゼーションさせます。
ここでは1色法と2色法の概要をご説明します。説明を簡単にするため、薬物の培養細胞への影響を無処理群(A群、サンプルa)と処理群(B群、サンプルb)間で比較する2群実験を例にします。

1色法

1色法ではターゲットサンプルaとターゲットサンプルbがどちらも一種類の色素で標識され、それぞれ別々のDNAチップにハイブリダイズを行います。1色法の長所は、実験計画が立てやすいことがあげられます。解析するサンプル数が急に増えたとしても、1色法であれば困ることは少ないはずです。
2色法では比較用基準ターゲットサンプル(Referenc)を用意する必要があります。1色法は解析する検体数がどの程度増加するかわからない場合に選択すると良いのかもしれません。ただし、短所もあります。複数のDNAチップ間のデータを取り扱うため、DNAチップそのもののばらつきの影響を受けてしまいます。2色法では、同一のDNAチップ内での比較であるためこのような問題は軽微と考えられます。

1色法

サンプルaとbがどちらも同一の色素で標識し、それぞれ別々のDNAチップにハイブリダイズを行う。

チップ間で比較を行う

長所
実験計画が立てやすい
短所
チップ実験間のバラツキの影響を受けやすい。

※ このサイトに掲載している製品写真は日本で販売しているタイプのものです。